縮緬と錦紗について

縮緬・錦紗とは

縮緬

縮緬は、強撚糸を緯糸に使い、縦糸と交互に織り上げた織物です。織り上げた後に精錬をすると、緯糸方向に縮んで、布全体に凸凹ができます。この凸凹が「しぼ」と呼ばれて、縮緬の風合いを醸し出しています。縮緬では、このしぼで、光の乱反射がおこり、独特の柔らかい質感があります。また、染めた場合にも、しっとりとした独特の発色が見られます。

 

縮緬

縮緬は、天正年間(1573~1592)に、中国から技術が伝えられたそうです。江戸中期頃から、小袖類に広く使われるようになります。江戸時代の縮緬は、薄手で柔らかい縮緬で、今も「江戸縮緬」と言われ、古布・古裂の愛好家では憧れの布となっています。明治に入ると、二越縮緬の他に、しぼが大きくて、厚めの縮緬(「鶉縮緬」、「壁縮緬」、「鬼縮緬」)が現れます。

 

錦紗

大正から昭和にかけては、経糸・緯糸がともに細い糸で織り上げられた、錦紗・錦紗縮緬が広く用いられるようになります。縮緬と錦紗は、古裂の世界では代表的な布だだと思います。時代により、染の技法や図柄の流行も加わり、そして、戦後は急速な洋文化の浸透により、着物は少なくなってきました。大切に受け継がれてきた、古い着物や布たち。時代を経て、風合いを増した古裂の美しさは例えようもないと思います。